──「売ってくれないか?」から始まった長い道のり
こんにちは。
今日は、ファストホワイトがどうやって日本に届くことになったのか——
その裏側にある、知られざる物語をお話ししたいと思います。
すべての始まりは、一本の“白い歯”でした。
実はこの話、高校時代の「モテたい」というピュアな動機から始まっているんです。
「白い歯は、かっこいい」の呪縛
私が“歯の白さ”にこだわるようになったのは、高校に入学したばかりの頃。
当時の日本には、まだ「ホワイトニング」という言葉すら存在せず、「美白」といえば肌の話。歯の色を気にする文化などほとんどありませんでした。
だけど私は、「どうにかしてモテたい」「カッコよくなりたい」と思っていました。
そんな私の目に飛び込んできたのが、男性誌の裏表紙に載っていた“歯のマニキュア”の広告。
「白い歯は、女の子にモテる」
その言葉に心を奪われた私は、必死にお小遣いを貯めて、そのマニキュアを手に入れました。
毎朝、鏡の前で白くなる塗料を歯に塗ってから登校していたのを今でも覚えています。
白い歯の笑顔をつくりながら、かわいい女の子にアピールしていたんです(笑)。
アメリカで見た「衝撃のCM」
それから数十年の月日が流れ、私は仕事の関係でアメリカに住むようになりました。
ある日、休日の昼下がり。
リビングのソファに寝転んでテレビを見ていたときのことです。
「Perfect Smile」という家庭用ホワイトニングキットの**インフォマーシャル(テレビ通販CM)**が目に飛び込んできました。
これが衝撃的でした。
まさにあの高校時代の“白い歯”への憧れが、突然フラッシュバックしたのです。
すぐに電話で注文し、届いたキットを試したところ——
「本当に白くなった」のです。
しかし、問題もあった
完璧な商品に見えましたが、実際にはいくつかの課題もありました。
トレイ(マウスピース)の製作に手間がかかる
ジェルの味がとにかくマズい
トレイのプラスチック臭が強烈
一晩中(約8時間)つけなければならない
歯茎にしみて激しく痛むこともあった
満足はしたけど、「これでは日本では受け入れられない」と直感しました。
「もっと良いものがあるはずだ」「もっと痛くなくて簡単に使える製品が必要だ」——その思いが強くなっていきました。
「売ってくれないか?」と電話した日
私は「Perfect Smileを日本で売りたい」と考え、当時の販売元Guthy-Renker社に直接電話しました。
まだインターネットが普及していない時代、頼りはTVに映った会社名と国際電話だけ。
「この商品、日本で販売したいんです」
そう伝えた私に、彼らが返してきたのは現実的な回答でした。
「販売権は、3ミリオンドル(約3億円)です」
……絶句しました。到底払える額ではありませんでした。
電話を切ったあと、ただ天井を見つめて悶々とした日々。
でもその中で、心に決めたことがありました。
「いつか必ず、この壁を超えてみせる」
世界中のホワイトニング製品を集めて検証
そこから私の“探究”が始まりました。
アメリカでは次々と新しいホワイトニングキットが登場し始めていたので、手に入る限りの製品を片っ端から買い漁りました。
実際に使って試し、
白さの度合い
使用感
味や匂い
成分
パッケージの印象
あらゆる角度から検証を行いました。
ついに出会った「FastWhite」
その中で出会ったのが、**FastWhite(ファストホワイト)**という製品です。
それは、使い心地・パッケージ・効果、すべての面で優れており、「これならいける」と直感しました。
私はすぐにパッケージに記載されたメーカーに連絡を取り、「ぜひ一度会って話がしたい」とお願いしました。
驚いたことに、彼らは「OK」と返してくれたのです。
私はすぐにアメリカに飛びました。
CEOとの面談、そして“裏の現実”
アメリカ本社でFastWhiteのCEOと面談。
私は、日本市場の特殊性と法規制について、正直に話しました。
日本ではホワイトニングは基本的に歯科医院でしかできない
白くするために必要な成分「過酸化水素」は、3%を超えると医療免許が必要になる
市販として売るには厚生労働省の認可が必要になるが、現実にはそれが通らない
そしてもうひとつ、大きな壁の存在も話しました。
それは、ある歯科医出身の国会議員に相談したときに聞かされた“裏の話”です。
「日本では、アメリカのようなホワイトニングキットが広がると困る業界がある。
特に歯科医師会は、ホワイトニングの自由化を阻止しようと、厚労省に3億円もの裏金を流しているとも言われている。
医師会を敵に回してはいけない。
どうしてもやりたいなら、“個人輸入”の形式でやるしかない」
そのアドバイスのもと、私はCEOに提案しました。
「アメリカの工場から、日本の購入者個人に直送する。
それなら日本の薬事法を避けながら、ユーザーに“本物のホワイトニング”を届けられる。
このスキームに、協力していただけませんか?」
CEOは少し考えた後、静かにうなずきながら言ってくれました。
「Let’s do it(やろう)」
すべては、一本の白い歯から始まった
こうして、日本で「ファストホワイト」が使えるようになる最初の一歩が、ようやく始まったのです。
マニキュアを歯に塗っていた高校生が、ついに“本物のホワイトニング”を日本に届けるための交渉テーブルに座っていたのです。
もちろんこのあとにも、多くの壁、規制、マーケティング課題、物流の問題が待ち構えていました。
ですが、その話はまた次回に。
——あのとき、あの勇気がなければ、
ファストホワイトが日本に届くことはなかったのです。
つづく
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